15

植物の恵みで女性たちに寄り添う、岡野真弥さんの想い

体調を崩したことをきっかけに、ハーブ&スパイスなどをお茶や料理、アロマなどで取り入れる植物療法の道を選んだ岡野さん。「自分のように悩んでいる人の役に立ちたい」と考える彼女は、SNSとの付き合い方も優しく丁寧に、一歩ずつがモットー。

 有名リゾートホテルに入社し懐石料理店やフレンチのレストランに配属になったこときっかけに、食文化に興味を持ち始めたという岡野真弥さん。大学時代は国際交流サークルを立ち上げた経験もあり、20代の前半から「真の日本のホスピタリティとは?」に向き合うキャリアをスタートさせた。
 20代後半になってからは、ウエディング業界や老舗高級ブランドで経験を積む。
「社内で表彰されたりといった嬉しい出来事もあったいっぽうで、仕事に熱中しすぎて体を壊してしまったんです」
 体の内側から健康になりたいと思ったときに巡り合ったのが、ハーブ&スパイスなど植物の恵みを活用する植物療法だった。


キッチンにはハーブや漢方、お茶だけを集めた引き出しが。こんなにぎっしり!

ハーブとの出会いが人生を好転させた

「ハーブティをしばらく飲み続けたら、五感や直感力が研ぎ澄まされるような実感があって、私が求めていたのはこれだ!と確信しました。それまでは食事は外食やスーパーの惣菜で済ませるような生活でしたから……」
 思い切って会社を退職。ハーブや漢方・薬膳、ヨガのスクールに通ってそれらの素晴らしさの裏付けを学び、資格を取得した。現在はフリーランスとしてメディアへの寄稿や講演会、料理教室など幅広く活動を続けている。

SNSでの発信はできるだけシンプルに

 岡野さんのInstagramには自然光を生かしてシンプルに撮影された料理やハーブの写真が並ぶ。しかし、最初から自分の強みを生かして投稿できていたわけではない。
「SNSを始めた当初は、美味しくて、体に良くて、おしゃれなものを全部伝えようとして欲張りすぎていました。ハーブティやアロマセラピーの情報を発信している方って、すごく多いんです。じゃあ、その方たちと自分は何が違うのか?自分は何がしたいの?って立ち止まって考えてみた時に、私が伝えたいことはものすごくシンプルなんだって気がついたんです。それは、植物療法が毎日忙しく過ごしている私たちの心と体に良くて簡単だということ。それ以来、植物そのものがもつ風合いを表現した写真に、なにか役に立つ雑学やアドバイスをひとことだけ添えるようになりました。女性達に立ち止まって体の声と向き合うきっかけにしてもらえたら嬉しいです」
 Instagramは名刺代わりだと話す岡野さん。人となりを理解してもらえるようにフォロワーに寄り添うこともまた、ホスピタリティの精神に通じているかもしれない。
「仕事の依頼はInstagramのダイレクトメールで来ることがほとんどです。だからこそ一時の収入だけにとらわれず、自分のキャリアを長期的に見て情報を発信していきたいと思っています」

母のレシピを受け継いで、自分流にアレンジ

 お母様は管理栄養士だという岡野さん。お母様がよく作ってくれていた料理を、スパイスやハーブを使った岡野さん流のレシピにアレンジして作ることが多いという。


この日作ってくれたのは、鶏手羽のスパイス煮込み。シナモンやローリエ、カルダモン、生姜などを組みあわせ、醤油と酢で風味を足す。調味料は生産者の顔が見えるものを選んで’使う。部屋じゅういい香り!

「料理と向き合うことは、自分と向き合うこと。私は、人に『これを食べて下さい』と指示を出すのではなく、その人なりのやり方で体の声に耳を傾けるきっかけが作れる存在になれればいいなと思っています。」

おかの・まや●植物療法士。国内外のヘルシーライフスタイルを発信する『WELLE ME』で理事を務める。kitchenSTAR第0期生。